今日は長いのでご覚悟を!
最近、面倒になったのか、このブログを読んでくださる方はそれなりの専門家だと勝手に決めてつけて記事を書いている節があります。
特に鉄道や航空関係は略語や符号を何のためらいもなく使っています。
でもわからなかったら大変ですので、少し解説をしておきます。
鉄道については基本的にJRの事だという前提で書きます。
列車番号
基本的に下りが奇数、上りが偶数で付番されます。1桁から4桁の数字+記号で成り立ちます。数字4桁の場合は8000/9000番台は臨時列車であることがほとんどです。また列車番号の記号も決まりがあります。いずれも代表的なものです。
A 東海道・山陽・九州新幹線
B 東北新幹線
C 上越新幹線
D 在来線気動車列車
E 北陸新幹線
M 在来線電車列車
また、記号がないものは旅客、貨物を問わず機関車けん引の「列車」であることから伝統的にカタカナの「レ」をつけて呼称します。唯一列車番号が存在しないのはお召列車です。ダイヤグラムには「お召」と朱書きされます。ただ最近はダイヤ管理をコンピューターで処理しているので便宜上番号をつけないとシステムが動作しないことから9001なんていう便宜上の列車番号を割り当てていることもありますが、あくまでもお召列車は「お召」です。
旅行会社やみどりの窓口で指定券の申し込みをする場合、新幹線列車に限っては列車番号で簡略的に書くことが多く、例えばのぞみ10号であれば「10A」という例で書いても大丈夫です。在来線の特急列車の場合は列車番号で書くのは避けましょう。混乱します。(^^;)駅員に到着時刻や着発番線を尋ねるときは列車番号で大丈夫です。
電略
M型マルスや鉄道電報、ダイヤグラムで駅名や線区を表示するときに「電報略号」として使用していました。今でも使用されるものも多く存在します。
駅名の電略はカタカナ2文字ですが、全国の駅名をダブらせないようにするのは無理ですから、さらに前にカタカナ2文字の旧鉄道管理局の略号をつけてユニーク化しています。例えば東京駅は「トウ」ですが、鉄道駅の場合は東京南鉄道管理局管内であったため「トミトウ」ですし、自動車駅としての東京駅は東名高速線に所属していましたから「トメトウ」です。
先の指定券申込書にも新幹線程度であれば「10A コラ-トウ」の例により電略で書いても大丈夫です。話し言葉では駅名電略はあまり使いませんね。
他の電略としてはウテシ(運転士)、カレチ(旅客列車長・車掌)、ウヤ(運転見合わせ)、ハラモ(払い戻し)、ヨロ(よろしく)、カモレ(貨物列車)等が使われますね。
形式
在来線の車両形式はJR四国を除いてほぼ国鉄を踏襲しており共通です。
例えば在来線電車の場合は系列番号100-300番台が直流、400-600番台が交直流、700-800番台が交流です。
形式番号の前のカナ記号はク(制御車)、モ(電動車)、サ(付随車)、ネ(寝台車)、シ(食堂車)+イロハです。イロハは一等車から三等車です。現在は二等級制ですのでロがグリーン車、ハが普通車です。
サンライズに使われる285系電車は直流の特急型電車でクハネ285は制御車でB寝台車であることがわかります。
客車の場合は重量記号+用途記号+形式番号です。重量はナオスマカの順に重くなります。用途記号はイロハやネ(寝台車)、ニ(荷物車)、シ(食堂車)、フ(緩急車)等です。北斗星のオロハネ25は24系25形に属するオ級のA、B寝台合造車ということになります。そう考えればトワイライトのスロネなんて5部屋しかないのに、えらく重たい車両であることがわかりますね。実は全室にシャワーが付いているので水の重量や温水設備の重量が半端ではなんでしょうね。
機関車にも決まりがあって、最初のEは電気機関車、Dはディーゼル機関車、何もないのは蒸気機関車です。2文字目のアルファベットは動輪の数です。Cは3つ、Dは4つ、Eは5つ、Fは6つ、Hは8つです。
なお、指定券の申し込みの時には座席種別をこの記号を利用して書くことがあります。「10A コラ-トウ ロザ1」の例です。これは「のぞみ10号 小倉-東京 グリーン1席」の意味です。ザは座席の意味ですが特に座席指定である場合に使用されます。普通車自由席の場合は「ハ」と表現することもあります。この例によれば普通車自由席「ハ」、普通車指定席「ハザ」、グリーン車指定席「ロザ」、A寝台「ロネ」、B寝台「ハネ」です。個室の場合はソロやロイヤルの例によりそのまま個室名称で言った方がいいかもしれません。
閉塞
詰まることではありません。鉄道の信号用語です。鉄道では信号機と信号機の間に列車は1つしか存在してはいけないのが原則です。この信号方式を閉塞と言い、この区間のことを閉塞区間または防護区間と言います。
前方の信号が停止現示(赤)以外である時には、少なくとも次の信号までは列車がいないことが保証されますから進入することができます。
信号機をたくさん設置して閉塞区間を細かくして増やせば列車密度を多くすることができます。しかしそれにはコストがかかります。単線のローカル線では始発駅から終点駅までが1閉塞、つまり1つの列車が折り返し運転するしか方法がないところもあります。
信号機には閉塞区間を区切る閉塞信号機の他に、駅への進入の可否を示す場内信号機、駅からの出発の可否を示す出発信号機があります。場内信号機と出発信号機は絶対信号機といい何があっても(壊れていようが無灯火だろうが)絶対に従わなくてはならない侵すべからず信号機です。
閉塞信号機のような許容信号機が停止現示のまま変わらない、もしくは信号そのものが消灯している場合は指令の指示に従って直ちに停止できる速度以下で無閉塞運転(閉塞指示運転といいます)を行うことができますが、絶対信号機では無閉塞運転はできません。
よく機外停止という言葉が出てきますが、本来機外停止とは信号機の外方で停止現示により停止することで異常でもなんでもありません。ただし、ダイヤグラムはそういうことにならないように組んでありますので、駅以外の場所で信号停止するのはいささかダイヤが乱れている証拠でもあるのです。それが転じて停車場以外の場所で停止することを機外停止というようになりました。鉄道会社でも機外停止はあまりいいことだとは思っていません。長時間になると乗客を降ろすこともできないからです。そのためダイヤ乱れで駅を発車してしまったら次の駅にたどり着くまでに電車が団子状態になって機外停止してしまいそうな場合には、閉塞区間とは関係なく前の列車が次の駅を発車したのを確認してから発車させる方式を採用します。この運転方式を通知運転と言います。通知運転までしなくても時間調整の為に一時的に駅を発車させないでおくことを抑止と言います。抑止は自然災害で運転見合わせの時にも抑止と言いますが短時間一時的に運転を止める時も抑止と言います。
信号機が停止現示から進行現示(減速現示、注意現示や警戒現示を含む)になることを「閉塞が開く」と表現します。
3レターコード
航空業界で航空会社や都市名、空港名を3文字でコード化したもの。航空会社の3レターは素人向き?でJALやANAなんかがそうですがあまり使いません。都市コードや空港コードは覚えておいて損はないですね。
TYO 東京の都市コード
HND 羽田の空港コード
NRT 成田の空港コード
FUK 福岡
OKA 沖縄
KOJ 鹿児島
KMJ 熊本
KKJ 北九州
HIJ 広島
OKJ 岡山
KMQ 小松
OSA 大阪の都市コード
ITM 伊丹空港
KIX 関西空港
UKB 神戸
SPK 札幌の都市コード
CTS 新千歳
きりがないのでこの辺で。
2レターコード
航空会社を2文字でコード化したもの。古い航空会社の方がしっくりくるコードで後発会社ほど訳が分かんないコードになる傾向にある。
JL 日本航空
NH 全日空(ニッペリ、日本ヘリコプター時代の名残)
JD 日本エアシステム(既に存在しませんが、日本国内航空JapanDomesticの名残)
BC スカイマーク
7G スターフライヤー
MM ピーチアビエーション
HD 北海道国際航空
KE 大韓航空
OZ アシアナ航空
AF エールフランス
BA 英国航空
UA ユナイテッド航空
きりがないのでこの辺で。
ドアモード
航空機のドアがクローズされて動き出す前に日本の航空会社でしたら日本語で「業務放送です。客室乗務員はドアモードをオートマチックに変更してください。This is for crew.」と放送が流れます。
このドアモードとは機材によって言い方は違いますが、だいたいオートマチック(自動)か、アームド(手動)です。フライトモードとかパーキングモードという機材や航空会社もあるようですが同じです。
オートでドアを開けたら脱出用シューターが出てきます。手動ですとドアが開くだけです。ですから搭乗が終了してドアを閉めたらオートにしておかないと不時着した時にシューターが出なくて困ります。逆にオートのままで無事着陸してドアを開けるとシューターが膨らんでとんでもないことになります。ドアモード変更レバー操作は客室乗務員が行うのでみだりに手を触れてはいけません。
コードシェア
自社の便に他社の便名も同時に割り当てて、他社にも座席を販売してもらう運航形態のことをコードシェアまたは共同運航便と言います。基本的には運航会社がすべてを取り扱うため、チェックインから機材、乗務員全ては実際の運航会社になります。例えばNHと7Gのコードシェアの場合、運航会社は7Gですので羽田空港では2タミNHカウンターではなく、1タミ7Gカウンターでチェックインをしなければなりません。
同じ共同運航便でも、運航会社機材に自社客室乗務員を実際に乗務させる場合があります。この場合は2社の客室乗務員が乗務していることになります。例は多くありませんが、羽田/ソウルのNH/OZのコードシェア便は相互に客室乗務員を乗務させています。同じスターアライアンスで日本人と韓国人がほとんどの便だからできる技なんでしょうね。このような例を特にJointOperationと言います。
V1
離陸決心速度と言いますが、V1、VR、V2がセットです。V1に達したらそれ以降は何があっても離陸を中止することはできません。安全に滑走路内で止まれないからです。
離陸許可が出て滑走を始めた航空機がV1に達する前であれば離陸を中止できますが、V1のコールで離陸を決心します。VRのコールで機首を上げます(ローテーションとも言います)。V2のコールで上昇を開始します。もし何かあれば離陸後に引き返すかどうかを判断します。
PNR
パッセンジャーネームレコードの略。リファレンスとも言います。航空会社の予約記録のことです。最近は予約システムが接続されていない航空会社もありますので全部がそういうわけではないのですが、国際線が絡む予約記録は原則として最初に搭乗する航空会社からすべての予約を取らなくてはなりません。
予約記録が連続していなければならないのです。
例えばNHのシステムであるインフィニからNRT/BKK/KUL/HKG/NRTというルートの予約を取るとします。
最初はNHに乗るのですが、2区間目以降はタイ国際航空、キャセイパシフィック航空、日本航空に搭乗する予定だとすると、NHから順番に各航空会社のシステムに電報が送信されます。その回答がNHの予約システムに反映されますのでNHで全予約を一元管理できるのです。この回答のことをステータスと言います。
1NRT/BKK NH9999 HK1 HKは予約が取れているステータス
2BKK/KUL TG9999 RQ1 RQはリクエスト中であることを示す
3KUL/HKG CX9999 HL1 HLは取り消し待ち状態
4HKG/NRT JL9999 KL1 KLは一度HLになったがその後取れた
このようなステータスをいつも監視して旅程がOKになったかどうかを見守るのです。この電報のやり取りで機内食や座席のリクエスト、FFP会員番号、旅客の参考事項等を航空会社に伝えます。国内線ではそこまでシビアではありませんが、搭乗券には必ずどこかに自社のPNR(アルファベットと数字の組み合わせで通常6ケタ)が記載されています。
専門用語や略号等いろいろ出てきましたが、だいたいお分かりいただけましたでしょうかね?
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