今日は少し古いものを…。
まずはこれをご覧ください。(画像は全てクリックで拡大します)

少し汚れていますが、100系電車が登場した時のグリーン車にあった下敷きのようなものです。
裏面にはミュージックサービスの内容が書かれています。
まだこのころは「ニュー新幹線」というあいまいな愛称で運転していました。

オリジナルの0系電車が古くなってきて100系が増えてきたときにJR西日本が0系を改造して「ウエストひかり」なるものを登場させました。食堂車を階段状に改造して映画館にして上映したり、ビュッフェを改造して喫茶店風にしたり、すべての座席を2&2にしたりと先進的なサービスでした。
その後、派生でこどもが遊べるスペースを確保した「ファミリーひかり」が登場したりして、帰省シーズンに運転されました。この下敷きは当時のJR西日本福岡営業支店が作成して宣伝に配ったものです。
映画館はビデオではなくプロジェクター投影の本格的なもので好評だったのですが、500円を徴収していたのと、そのために人員を配置しなければならないのでコストに見合わなくなり、無料化されましたが早々に姿を消してしまいました。

いよいよ100系が増えてくると人気の新幹線として定着しました。JR西日本は100N系としてダブルデッカーを4両組み込んだ「グランドひかり」として運転し始めました。この下敷きはグランドひかりのグリーン車にあったものです。もちろん裏面はミュージックサービスの案内です。この下敷きまではB5判でした。
グランドひかりのグリーン車には液晶テレビが組み込んであって山陽区間では映画を楽しむことができました。1階の普通車指定席は景色を犠牲にしたので2&2シートと大型テレビを車端部に設置することによりサービスを向上させました。2&2シートはビジネスマンに人気で、グランドひかりの1階指定席を指定買いする光景も見られました。

そして、いよいよ300系の登場とともに「のぞみ号」が新幹線のメイン列車となります。
下り「のぞみ301号」は名古屋と京都を通過するというダイヤで話題を呼びました。
いわゆる「名古屋飛ばし」が問題となりましたが、実は保線直後は路盤が落ち着くまでスピードは出せず、かといって名古屋と京都に停車しては「9:00の会議に間に合う!」という最大のうたい文句を達成できないのでこのようなダイヤになったという側面もあります。しかし、あまりにも「名古屋飛ばし」が愛知県の感情を逆なでしたために停車せざるを得なくなりました。
現在はN700系ののぞみ1号が品川・名古屋・京都と停車して当時ののぞみ301号よりも5分早く新大阪に到着します。
このころの下敷きからA4判になりました。
100系登場から300系登場までをグリーン車備え付けの「ミュージックサービスプログラム案内」から歴史を紐解いてみました。
新幹線はその後しばらくして500系・700系と進化を遂げ、現在のN700系へと、主役のバトンをつないでいくことになります。