ピロさんのブログ「
ぷらもでジャンプ!!」に、車の話題がありましたので私の車の走りにについて少しだけ。
車は、W124というモデル。
1993年式 1994年モデルのメルセデスベンツE400です。
エンジンは排気量4,195cc V型8気筒DOHC
最高出力は285ps/5,700rpm
最大トルクは42.0kg/3,900rpm
燃料は無鉛ハイオク タンクは70リットルです。
実質の燃費は市街地走行で6-7km/l、高速道路走行で9-10km/lくらいです。
大阪で満タンにして高速道路をノンストップで走り北九州で給油してちょうどよいという感じです。
E400/400Eは当時北米で売れていた高級日本車のトヨタレクサスや日産インフィニティを追撃するためにつくられたモデルです。ポルシェと共同開発した500E/E500というモデルは発売されていましたが、これではモンスターマシーンで値段が高すぎて対抗できない、また300E/E320では排気量でパワー不足になり対抗できないというジレンマがあったそうです。
エンジンはSクラスと同じ4200CCのV8DOHC M119エンジンで、エンジンルームのスペースと取り回しの関係上、同じエンジンを積んだSクラスより出力は落ちますがエンジンそのものやシステムはSクラスと同様です。
サスペンションはフロントはR129のSLのパーツを流用。リアは300Eの足回りをベースにSLからの流用パーツにE400専用のパーツ等を組み合わせています。ステアリングギアボックスはE500と同じものです。
十分なパワーに対応したスプリング、ダンパー、スタビライザーは強化されていますが、E500のようなスポーツカーではなく、E320のサルーンをパワーアップした車にしたようです。しかし、乗った感じではパワーありすぎ、私にとっては十分にモンスターマシーンです。
ブレーキシステムは4輪ともベンチレーテッドディスクで、フロントが300mm、300CE-24の4ポッドキャリパー、リアが278mm、SLと同じ2ポッドキャリパーで、いずれもATE製の鋳鉄です。このブレーキはさすがで、とてつもなく効きます。パワーに見合ったブレーキシステムです。
E400のATはE500と同じB(ブレーキ)ポジション付きの4ATです。高回転型のギア比なのでとても静かです。逆にエンジンブレーキはあまり効きません。そのためのブレーキポジションです。
バッテリーはエンジンルームにはありません。E320と同じサイズの車なのでV8DOHCを積むと余分なスペースがないのです。したがってトランクルーム右側の凹部にバッテリーがあります。100Ahの大容量バッテリーを積んでいます。
メルセデスの思想
メルセデスは有名な話ですが「最善か無か」という思想で車を作っていました。高級車なのは確かですが、日本の高級車のような便利で快適な機能の類は一切付いていません。すべての機能は乗員の安全と高速かつ快適に運ぶためだけにあるといっても過言ではありません。ちょっと例をあげてみましょう。
?パワーウインドウは下げるのはスイッチを押しこめば自動ですが上げるにはスイッチを押し続けなければなりません。
これは、上昇までをオートにすると挟み込みの事故の可能性が高まるからです。
?車速感応式オートドアロックはついていません。
ドアロックは盗難防止のためにだけあるもので運転中にロックする必要はないという思想です。事故の時にロックしてあると外からドアを開けられず乗員を救出できないというのが理由です。取扱説明書にも「半ドアでも絶対にドアは開かないからロックはするな!」というようなことが書かれています。
?トランク、燃料コックの開閉スイッチはありません。
これも?と同じですがトランクはトランクのボタンを押せばいつでも開けることができますし、燃料コックも手で押せば空きます。すべてのロックは連動していてドアをロックするとすべてロックされます。運転中にトランクや燃料コックをロックする必要はないという思想なのです。
?普通にABSが動作します。 高速道路の料金所の継ぎ目部分。雨の日に減速しているとブレーキパワーがあるので滑ります。3回に1回はABSが作動しますので、安心です。国産車でABSの動作を体験した方はいますか?
?雨天時にサイドガラスに水滴は付かない? 天井サイドに溝があり、フロントガラスからの水滴はすべてこのレールを通って、トランクのサイドを通って、テールランプの脇から飛び出します。そのため、高速走行中にはサイドガラスに雨はつきません。ちなみに、この時代にメルセデスのテールランプは凸凹と立体的になっています。雪や泥でテールランプが汚れてもでも凹部分は汚れにくいため視認性が損なわれません。また、この凸凹のために空気の流れが変わり負圧を利用して雨がとどまらずに後部に飛んでいくという自然科学を利用したためにこのような形になったといわれています。
?シフトレバーの特徴 メルセデスのシフトレバーはギザギザになっています。スタッカードゲートと呼ばれています。NポジションからPやRに入れるときは国産車の場合誤動作防止用のボタンを押す必要があります。メルセデスはギザギザを利用していますが、このギザギザに秘密があります。左ハンドルの場合右手でレバーを握ります。PポジションからDポジションに切り替えるにはレバーを右側に倒してから手前に引きます。その時に、手のひらを自分とは反対方向(助手席側)に向けなければなりません。人間の手のひらは体と反対側には向きにくい構造になっているのです。人間は無意識に曲がらない方向に手のひらを向けることはしません。意識しないと向かないのです。つまり、ヒューマンエラーを人間工学に基づいて減らそうとしたのがスタッカードゲートなのです。このシフト構造は、最近までメルセデスが特許を持っていました。日本のメーカーは使いたくて使いたくして仕方がなかったのですが特許の壁に阻まれて使用できなかったのです。最近、この特許が切れたので日本の高級車はほとんどスタッカードゲートになっているはずです。
インパネ(クリックで拡大)
ちょっと長くなってしまいましたが、こんな車です。世界最高の「実用車」と謳われた車なのです。
では、その走りを動画でご覧ください。
高速道路を普通に走りました。カメラはダッシュボードに置いているだけです。固定していません。ご覧いただきたいのは、高速走行中の静粛さとカーブの安定性です。